【登場人物】
父さんダック A男
母さんダック B女
醜いあひるの子 C
婆さんダック
もしも、あひるの世界で民法が適用されたら…というお話です。
日当たりの良い川岸。かあさんダックは巣に篭って卵を3つ温めていました。

婆さんダック:おやまぁ、まだ生まれてこないのかい?
父さんダック:俺との卵を身篭ったのは婚姻前だったろ。
そろそろ、生まれてきてもよさそうなものだが。
母さんダック:もうちょっとですよ。ほらっ。
すると1つの卵の殻が破れ、中からピーピー声が聞こえてきました。
続けて、2つ目の卵の殻も破れ、中から小さなアヒルが顔を出しました。
父さんダック:うわぁ、2匹とも俺にそっくりだ
さては、あともう1個だな。
それにしても妙に大きい卵だが…。
母さんダック:卵の大きさだって、みんな同じというわけにはいきませんよ。
今日は婚姻届を出した日から数えて150日目。
もう少し温めてみましょう。
そして翌日。とうとう大きな卵が割れて、中から雛鳥が出てきました。
母さんダック:まぁ、なんて大きな子でしょう
父さんダック:それに、不細工で、誰にも似てない。
これは俺の嫡出子じゃないぞ。嫡出否認の訴えで白黒つけてやる。
母さんダック:せっかく大事に温めたのですから、もうしばらく様子をみましょうよ。
婆さんダック:いいや、これは七面鳥の子だよ。
親子関係不存在確認の訴えによるべきじゃよ。
【問題】
B女は、A男との内縁関係の継続中に懐胎し、その後、Aと適法に婚姻をし、婚姻成立後150日を経てCを出産した場合において、AがCとの間に父子関係が存在しないことを争うには、嫡出否認の訴えではなく、親子関係不存在確認の訴えによる。(H22-34)