平成29年度行政書士試験講評ー記述式
●全体 ●基礎法学 ●憲法 ●行政法 ●民法 ●商法 ●多肢選択式 ●記述式 ●一般知識等
■記述式
問題44は宝塚市パチンコ店規制条例事件(最判H14.7.9)が素材になっています。同判例については、平成23年度、平成27年度と択一式で繰り返し出題されています。
表面的に答えを暗記するのではなく、過去問を通して条文なり判例を理解していく、そういう勉強が近道になります。
問題45、46は、基本問題といってよいと思います。
ただ、問題45については、書くべきポイントが「善意無重過失」だけなので、部分点はあまり期待できないかもしれません。もちろん、どのような採点をするのかについては、もっぱら試験委員の裁量であり、想像の域を出ませんが、採点面から考えるとシビアな問題かもしれません。
問題46については、不法行為による損害賠償請求権を主張できる期間の問題。
細かいことを言うと、現行法では3年間は短期消滅時効、20年間は除斥期間であるとされています。除斥期間は、所定の期間が経過すると当然に権利が消滅する制度であり、権利を行使する、しないは関係ありません。そのような点から、問題文に「いつの時点から何年間行使しないときに消滅するか」とあるのは少し違和感を感じなくもないです。
なお、改正民法では20年間についても時効期間であると定められました。