平成29年度行政書士試験講評ー行政法
●全体 ●基礎法学 ●憲法 ●行政法 ●民法 ●商法 ●多肢選択式 ●記述式 ●一般知識等
■行政法
今年度、強いていえば行政法が昨年度よりは少々難しかったかもしれません。といっても難問というほどの問題はほとんどなく、おおよそ標準的な範囲の問題だったと思います。本年度の特徴としては、組織論からの出題がなく、代わりに文章量の多い問題25、総合問題26が出題されました。
問題8は個別法の条文をその場で読み解かないといけない問題です。しかし、昨年度の問題8もまったく同じパターンの問題で、この手のものは出来るようにならないといけないものだと思います。
個別法については何が出題されるのかわかりませんが、まずは日ごろから、行政書士試験で出題される法令科目の条文をきちんと引き、読む習慣を身につけることが大事だと思います。
問題9~13はごく普通の問題。中でも問題11の行政手続の目的規定(1条1項)の条文の穴埋めは正解しないといけないところです。
問題14は肢1が正解ですが、条文の文章そのままでないこと、そして、肢2、肢3と作り話が続くので惑わされ易い問題の作りだと思います。問題15~17も標準的なもの。
問題18は肢1が正解ですが、問題としてあまり馴染みがない切り口で尋ねており、しかも最初の肢に配置されているので、その分、厳しかったと思います。
問題20、21の国家賠償法は、過去問の焼き回しです。どのような問い方をされても、聞かれていることは一緒。暗記ではなく理解するということが重要だという典型だと思います。ただ、問題21は穴埋めの組合せ問題は初めての形式である上、問題文がやや不親切のように思います。
地方自治法については、なかなか手が回り難い分、正答率は低くなります。もっとも、問題22及び23については同様の問題が過去問で出題されていますので、正解したいところです。
問題25は文章の並び変え問題。文章量が多く、内容も少々ややこしいです。が、仮に平成18年9月4日の最高裁判決を知らなくても、読解力で解ける問題でした。ここは時間をとれるかどうかがカギだったと思います。
問題26は思わず惑わされそうになる問題ですが、肢のア、イ、オの判別がつけば、肢の組合せで解ける問題でした。
言わずもがな、内容そのものは、過去問の焼き回しです。後は問題形式など、どこまで振り回されずに試験問題に取り組めるかがカギだと思います。